エミーバンク協会設立記念イベント「エミーがつくる新しい社会価値」を開催しました!

5月27日にエミーバンク協会設立記念イベントをオンラインで開催しました。当日は多くの方々にご参加いただき、有難うございました!

当日のイベント様子を簡単に振り返り、報告したいと思います。

はじめに、エミーバンク協会代表理事の末吉隆彦より、エミーバンク設立の経緯や設立時理事メンバーとのつながり、今後の展望について紹介されました。

末吉:2012年、本條陽子さんらとの「エミタメ」(※1)プロジェクト(笑顔認識デジタルサイネージにて、笑顔量をスコア化、エミー数としてソーシャルグッドに還元するコンセプト)からスタート。2016年、保井俊之先生や江上広行さんらとの「エミー&ゼニー」研究(※2)にて、感謝・恩送りのお金を「エミー」として再定義。その研究成果の社会実装の流れと、「社会装置」事業コンセプトを提唱する平野治さんとの活動が合流し、社会装置の第一弾として「emmyWash(エミーウォッシュ)」(※3)が生まれました。そして、社会装置の売上の一部を感謝・恩送りのお金「エミー」として循環させる、エミーバンク協会を設立しました。

と、これまでの流れを改めて振り返りました。

そして、エミーバンク協会では、初期的には、社会装置第一弾のemmyWash事業の売上の一部(1笑顔数を1emmyとし0.5円をプール)を原資として、次世代を担う子供たちにSDGs教育の一環として、無償でemmyWashを設置していきたいとし、今回エミーバンク協会の設立を記念し、感謝・恩送りの気持ちの循環の起点をつくるべく、教育機関へトータル50台のemmyWash無償設置の企画を発表しました。

その後、「社会装置」事業コンセプトに関して、マイネム株式会社代表の平野治さんよりお話頂きました。

平野:「社会装置」事業とは、社会・公共の課題・コストを資本財に変換していく「コスト(Cost)から資本(Capital)へ)」というマイネムが提唱推進するコンセプトのもと、笑顔づくりと社会課題解決の両立を目指す事業です。社会装置の第一弾は、マイネムが主体となって開発・販売する笑顔づくりと感染症予防の社会装置「emmyWash(エミーウォッシュ)」です。emmyWashは、笑顔を検知して除菌液を噴霧する装置ですが、自分のための笑顔づくりと除菌の機能のみならず、笑顔の数が貯金され、その数に応じて教育機関等へemmyWashを無償設置するという笑顔を起点とした循環をつくっていく仕組みとなっています。社会装置は、利他と利己の接点をつくる装置ともとらえています。

平野: 社会装置は、emmyWashのような機器装置型(contact device)のみならず、コミュニティのような場(community device)の形態であったり、社会システムのような仕組み(method device)の形態であったりします。たとえば、「健康経営」は、人材から人財へ。コストから資本へと変換するまさに社会システム型の社会装置コンセプトに当てはまるわけです(平野さんは、NPO健康経営研究会副理事でもあり、「健康経営」生みの親でもある)。

そして、エミーバンク協会 理事 兼 最幸顧問に就任いただいた保井俊之先生(叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部長・教授)には、広島からリモート参加いただき、「温かい恩送りのおカネ ~エミーを未来へ実装する金融」と題して基調講演を行っていただきました。講演内では、ウェルビーイング向上のための通貨のデザインという「エミー&ゼニー」研究の学術的活動の目的や背景、最新の研究成果とともに、いままさに感謝・恩送りのお金「エミー」の社会実装が現代社会で望まれていることが語られました。

その後の対話会では、エミーバンク協会理事の江上広行、本條陽子も加わり、「エミーが米ドル札のような紙幣だとしたら、そこにはどんなことが記載されているだろうか?」という問いからスタートしました。(米ドルには色々と文字が書き込まれていますが、その一つに「This note is Legal Tender for all Debts, Public and Private  / この紙幣は公的および私的すべての債務の法定通貨です」という文言があります。)

以下、対話中の登壇者のコメント抜粋です:

・江上:エミー紙幣には「愛するもの以外に渡してはならない」と書かれている

・末吉:エミー紙幣には、「笑顔のために使ってね。」など、その用途がトークンごとに書かれている。感謝・恩送りの気持ちは底がない。インフレであってもよい、ありがとうの伝播のための割符のようなものがデジタル通貨で実現されるのではないか。

・保井:「使うと自分と、愛する人の笑顔が増えます。」幸せ中心のデザイン。

・本條:「エミタメ」という、「エミー」の源流となったプロジェクトを考案していた頃は、「鏡を見て笑顔になるとそこに花が咲く。咲いた花は自分だけでなく、周りも空間も豊かにする」という考えに基づいた体験デザインをしていました。エミー紙幣は使うとその「場」が豊かになればいいですね。実際、花に例えなくても「笑顔が咲く」という表現もあります。

話題は、「社会装置」コンセプトに及びました。

・平野:(マイネムでは)依頼者のない仕事をすると決めた。依頼者はいないけど、社会から依頼されたもの。所有者がない。誰も頼んでない、誰とも契約してないけど、社会と契約している。という意味だ。

・末吉:公共、社会との接点をつくる仕事ですね。エミーとゼニーを繋ぐ、エミーバンクも、社会装置の一つですね。

・本條:利己と利他の接点が「社会装置」という説明はわかりやすかったです。最近、生態系に関わる仕事をしていますが、生態系には主従がありません。いろいろな生き物が入れ子状態を作りながら生態系を編み上げています。地球の生態系では、水も空気も季節も生命体も、すべてのものが循環しています。その循環を保つバランスが重要と思います。

テクノロジーの進歩とあわせ、ウェルビーイング、人の主観に関連した話題では:

・江上:DXとは、測れないものを測れるテクノロジーの進歩であるとしたら、人の幸せや人間の感性を測定し、それらをどうマネジメントするか?のような問いになっていくのだろうか?

・末吉:テクノロジー主導のみで人の主観であるウェルビーイングを計測、指向するのは危ういし、社会システムとの両輪で扱わないといけないではないか。

・保井:(ひと昔前では、そんなお花畑のようなアイデアは、夢物語であったが、AI等の加速度的なテクノロジーの進化の背景を踏まえ)幸せ中心のデザイン「お花畑でいいじゃん!」がようやく言えるようになった時代ではないか。

・本條:お花畑にも実際は芽が出て、咲いて、枯れて、また咲くというサイクルがあります。(お花そのものだけがフィーチャーされるわけではない)だからこそ面白いとも思います。

最後に、あらためて末吉から、エミーバンク設立記念の教育機関へのemmyWash無償提供企画がリマインドされ、今後の協会活動をSNS(facebook, twitter)等でフォロー、ご注目ください!として本イベントは終了しました。

ご参加、ご視聴いただいた皆さま、まことにありがとうございました。

また、本イベント開催にあたって、素晴らしいオペレーションと環境でイベント準備、進行を支えてくださった健康経営会議、ルネサンス社の健康経営企画部の皆様、ありがとうございました。


※1: エミタメ:ISIDとクウジット、東京都市大学と共同でミラーサイネージと笑顔認識技術を用いたチャリティイベントを開催

※2: エミー&ゼニー研究:慶應義塾大学大学院システム・デザインマネジメント研究科 前野隆司教授、叡啓大学ソーシャルシステムデザイン学部 保井俊之学部長・教授、クウジット株式会社らが取り組む「人を幸せにするおカネ(エミー&ゼニー)を創る」共同研究です。

※3: 「emmyWash」は、クウジット株式会社が提供する IoH(Internet of Happiness)プラットフォーム、およびKART画像認識ソリューション、ソニー株式会社が開発した顔画像認識技術を利用しています。


<参考資料>

末吉発表資料

平野発表資料
保井発表先生


emmyBank

2021年4月、一般社団法人エミーバンク協会が誕生しました。感謝のおカネ「エミー」を循環、その価値に共感する仲間たちとともに社会装置事業を通じて笑顔の経済圏の実現を目指し、「エミー&ゼニー」研究や社会装置事業のコンセプト啓発・普及活動をしていきます。今後ともどうぞよろしくお願いします!

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